身元保証で繋がる終活通信

身元保証と死後事務によりおひとりさまシニアのもしもに、24時間体制で寄り添います。

全ての根底にある身元保証人の役割~公的制度だけでは賄えない現実~

現在は様々な場面で、

身元保証人・連帯保証人・身元引受人・緊急連絡先を求められます。

 (以下、総称して身元保証人と言います)

入院や手術をする時。

特養など公的施設や有料老人ホームなど民間施設に入居する時。

海外旅行時。警備システム利用時。賃貸住宅に入る時、等々。

特に、入院時や施設入居時には身元保証人を強く求められます。

よって、終活においては身元保証人を準備することが必須です。

 

なぜ身元保証人を求められるのでしょうか?

病院や施設では、主に4つの役割を身元保証人に求めています。

  • 経済的保証 ⇒ 連帯保証人
  • 緊急連絡先 ⇒ 本人が意思表示出来ない場合の判断者
  • 各種の同意 ⇒ 手術時、入居契約時など
  • 遺体引取り ⇒ 亡くなった場合のご遺体引取り者

これらを担う役割の人を身元保証人と呼んでいます。

 

では、身元保証人とは誰のことなのでしょう?

結論は一般的に子どもや親族を指します。

上記をご覧になって分かるように、身元保証人とは、

昔から家族が当然のようにしている役割なんです。

 

あなたが何らかの理由で意思表示できない時病院や施設は困ります。

病院は病気を治療することが役割です。

施設は見守ること、安心した生活を提供することが役割です。

 

病院や施設があなたの意思表示に同意すること、判断すること、

亡くなったあなたの死後事務をすることは役割ではありません。

その役割は一般的には家族なんです。つまり身元保証人なんです。

だから、身元保証人を求めるのです。

とどのつまり、どこで生活しようとも身元保証人

つまり家族の役割をする人が必要なのです。

 

一方、後見人の役割は?

1)財産管理 2)身上監護。大きく分けるとこの二つです。

では、後見人の役割でないものは?

①家事や介護 ②医療同意 ③身元保証

冒頭で申し上げた

身元保証人の役割は、後見人の役割ではないということです。

言い換えれば、

後見人は身元保証人にならない、なれないということです。

 

なぜ、なれない?

後見人はあなたの代理人です。

つまり、あなた=後見人ということになります。

よって、

あなたがあなたの身元保証をするという解釈になるからです。

f:id:KOBE_TSUNAGARI:20210310132527j:plain

ところで…、厚生労働省は介護保険施設に関する法令上は

身元保証人等を求める規定はないとして、

身元保証人がいないことを理由に、

公的施設が入所を認めないのは正当な理由に該当しない。

と見解を示し、

全国の自治体に対して適切な指導や監督を行うよう要請した。

と新聞などであります。

 

しかし、なぜそれでも求めるのでしょう?

これには理由があると思います。

先ほども申し上げましたが

病院は病気を治療する事、施設は安心した生活を提供する事が役割で

死後事務は家族がすることです。

もし身元保証人がいない方が亡くなった時、ご遺体は誰が引き取るのか?

施設が火葬して死後事務をする?それらにかかる費用は誰が支払う?

そうなってから家族を探す?拒否されたらどうする?

それは役割が違い責任を負えません。だからこそ法令や法律ではなく

現実として身元保証人が必要で求めるのだと考えます。

 

そもそも、この問題に関する法律がありません。

身元保証に関する法律はあります。

しかし、これは就職時に求められている身元保証に関する法律で、

問題になっている施設入居時の身元保証とは違います。

そもそも介護保険や成年後見制度、民法など今の法律は

家族がいる・家族は助け合うという前提で作られています。

しかし、民法ができてから100年以上。

家族の形, 死への考え方,男女格差,価値観, 随分変わりました。

 

最近話題に上がる事が多い

「ジェンダー」→「社会的性差」と訳されます。

例えば、

家事は女性がやるものといった社会的イメージや役割分担の事です。

このような性別による差別や不平等をなくそうとする世界的動きです。

 

僕はこの考えや動きを家族という社会的イメージや役割分担にも

適用してほしいと考えます。

身元保証人は家族がするべき。この社会的イメージを変えたいです。

身元保証人は必要だと思います。

でもそれを家族がするべきだとは思いません。

 

かつて介護は家族介護が当たり前でした。

今では介護保険などによる第三者介護が当たり前のように

身元保証人も第三者保証が当たり前になる事は可能だと考えます。

それを示すかのように僕たちのような法人が全国で増えています。

f:id:KOBE_TSUNAGARI:20210310194123j:plain

個人の意思表示がしっかりあれば、

個人の意思が尊重されれば第三者が身元保証人でも

住み慣れた地域で

意思が尊重され自分らしい暮らしが出来る安心した社会が可能です。

 

個人の意思を尊重する観点で、国も議論を始めたり、

人生会議~ACP~と題して、人生の最終段階において

本人の価値観や希望に沿ったケアができるように繰り返し話し合い、

その意思表示を事前指示書で残していきましょうと啓蒙しています。

 

まさに、終活の大前提であるエンディングノートです。

手前味噌ですが、【つながり会員制度】は

人生会議に共感し、地域包括ケアシステムに基づいて、

この根底である本人の選択と心構えを重要視し、

意思表示指示書を作成したうえで

家族の役割である身元保証人や死後事務を受任する制度です。

 

そして、僕は子どもがいないので、

将来は【つながり会員制度】に入会しようと思っています。

なので、ゆくゆくはスタッフに支援してもらうために、

今から優しく接しています(笑)

 

話は逸れましたが、まとめです。

後見人は、身元保証人になりません、なれません。

なぜなら、役割が違うからです。

一方、身元保証人は必要です。

よって、終活をするうえでは

もしもの時に備えて後見人よりも身元保証人が先決です。