もしもの時の延命治療を望むのか望まないのか。
これは本人以外には決められない権利です。
つまり、あなた自身があなたの命について決めなければなりません。
そして、それはその場面が来た時に決めるのではなく、
元気なうちに決めておくことが重要です。
そこで一般的な3つの方法をご紹介します。下記の図をご覧下さい。
いずれの方法もそれだけでは完成ではありません。
最重要は方法よりもその意思が医師に伝わる事です。
例えば延命治療を希望しない場合、
その事がいざという場面であなたが意識を失っていたら、
どの方法でも医師はその事を知らず、あなたの意思が分かりません。
医師に伝わらなければ、延命措置を施されるかもしれません。
命に対して様々な考えがあり、
1分でも生かす事が使命と考える医師。患者の意思を尊重する医師。
どちらにしても、あなたが意識を失っていたら、
医師は親族等に確認を取ります。親族は重い決断を迫られます。
そうならないために、親族に迷惑をかけないために
【意思表示と緊急連絡先を自書したメモ】を財布などに入れておく。
これが最も重要です。
現在、保険証や免許証の裏面には臓器提供の意思表示がありますね。
これと同じなんです。方法よりも自書した書面であること。
そして、普段からそれを持ち歩くこと。これで良いのです。
上記は実際に私が財布に入れているメモです。
これが親族や病院・医師に迷惑を掛けずに、
あなたの意思が伝わる最善の方法です。
なぜ病院にも迷惑を掛けないか?
それは延命拒否宣言について日本では、
延命拒否も安楽死に分類されるため、
法的効力が可でも不可でもない状態だからです。
一方、近年は尊厳死を認める判例も出ています。
平成12年に出た最高裁の判決です。
この判例により、現在は本人の意思を尊重する傾向があります。
とはいえ、
病院はリスク回避も考えて本人以外に親族にも同意を求めるのです。
その時に本人が自書した意思表示があれば、
親族もその意思を尊重しやすくなり病院が抱えるリスクも減ります。
ゆえに、延命治療の意思表示は、
方法よりも、いざという時に医師に伝わる事が重要で、
そのためには自書したメモを普段から持ち歩くことが
最善策という結論になります。